扉が開く年
3月もいよいよ終わりですね。
当地は桜真っ盛りの季節です。
冬から夢中で駆け抜けて、ふと空を見上げるともはや新緑です。
今年は欅の芽吹きがとても早いです。
令和5年は意識をどこに向けるかがキーワードでそのスピードが加速するとか?
そして卯年ですので、「扉が開く年」だそうです。
振り返ってみますと 12年前は東日本大震災。蔵のタンクが倒れたり、とにかく「新酒を守れ」と必死でした。
何度目の揺れが止まったと振り返った瞬間、蔵の屋根瓦が大音響とともに崩れました。
思わず手を差し伸べて(無意識に崩落を止めようと)その手が震えていたのを覚えています。もうもうとする土埃の中で、ただただボーゼンと立っていました。
変な事に、瓦がザーと下へ落下するのと、横に並行飛びするのと、瓦にも落方があるのかと妙に感心してみました。
その後は、とにかく蔵掃除、雑菌対策に追われ、追われ「酒を守れ」の一念だけでした。
昔々、大嵐で新蔵が倒壊した時、それを見た当主が卒倒した話を思い出しました。
それでも、建て直し復活したのだと。
伝統とは、幹の部分は同じでも、枝葉は時代とともに変化、吸収して伸びて行けるのが
本物の伝統力だと聞いております。
8代目直次郎が97才で死去しましたので、9代目が引継ぎます。
その意味でも 今年「扉が開く年」にしたいと考えております。
より一層真摯に取り組みますので、、ご愛顧宜しくお願い申し上げます。。